【追記】2019年11月8日公開の「iOS13.2.2」により修正されました。
なぜiOS13はバグが多いのか
Appleで18年間勤務した経験のある元AppleソフトウェアエンジニアのDavid Shayer氏がiOS13のバグが多い理由についていくつかの理由を上げています。
理由1:新機能が多すぎる
iOS13では新機能を多数搭載しており、ベータ版には搭載されていた機能がいくつか削除される形でリリースされています。iCloud Drive 共有フォルダ機能などは搭載が延期されており、一部の機能は不完全な状態でリリースされました。それにより、一部機能で動作が安定しない状況を招いてしまっているとShayer氏は指摘しています。
理由2:クラッシュレポートの不正確さ
iOSのクラッシュレポートは、Appleにバグの詳細を送信することができます。しかし、このレポートはシステム全体に関わるバグのみになるため、iCloudの写真共有などの重大ではないバグの場合、人間のテスター任せになってしまっている状況があるようです。
理由3:バグ修正の優先順位
Appleは、バグの深刻度に基づいて修正の優先順位を整理しており、開発サイクルが迫る中で深刻度の高いバグのみ修正され、低いバグは修正されることなくリリースされてしまいます。
理由4:古いバグが修正されることなく最新OSに搭載
Shayer氏は、古いバグが修正されることなく最新版に搭載される場合があることを指摘しています。
理由5:自動テストが有効活用されていない
Appleは、バッテリー性能などの一部のシステム機能に自動テストを使用しています。しかし、Shayer氏は、「おそらく」としながらも、これらのテストは最終的に人間のテストに依存していると言います。
理由6:Apple製品・サービスのエコシステムが複雑すぎる
Appleは、多数の製品・サービスを提供しています。iOS13では、「ダークモード」などのOSの新機能に加え、「Apple TV+」、「Apple Arcade」など新サービスも開始し、これらの多くがソフトウェア開発とテストをより複雑にしています。